フラテルニテ(R18)の感想

 

 

フラテルニテの感想

※おうまさんぱかぱかじゃないよ
※勢いでかいてるので気が向いたら清書する

 

 

■プレイ周りもろもろ
プレイ時間:スチル全回収して39時間?ぐらい
描写:18禁ならではの限界への挑戦を感じた……もしくは制作側の祭り(悪ノリ)
正直何も言わずに勧めてきたそこのお前 フラテルニテに含まれるグロス
胸糞描写は他のゲームの1000倍だぜ、勧める相手は選ぶんだぞ…
UI に関しては今までやったPCゲーで最高の域 ありがとう 感謝

■シナリオ
話としては非常によくできてたなーって印象 理由は以下
・間のエロシーンが展開上自然かつストレスにならない
結構エロゲやってると蛇足唐突意味不明のエロシーンが放り込まれるけど、
フラテルニテではそういう負荷がほとんどなかった
展開上キャラクターが「救い」に触れてから最後「幸せをつかみ取るまで」の
いずれかに該当するから、ストーリーの一部としてすんなり受け入れられる
まあ…それが…単純に受け入れられるかはさておき…
・主人公がまとも
主人公がまともな感性と理性もってるから理解がしやすい
正義感は多少強い方とは思うけど(いじめられた子を助けたり、姉を助けるために
ビルに潜入したり)…いじめの加害者に対して直接強く出たりはしない
適度な距離感をもちつつ、一生懸命頭を働かせて下心なく(※多分)
みんなを助けたい、って思ってる真面目ないいやつだったのがよかった
感性と理性ないと普通に主人公に違和感持って話になじめないので…
・構成がうまい
題材が愛と救いを建前にしたカルト宗教とセックスなので、常人から見たら
どう考えても狂ってるんだけど、それを客観的に認識しちゃうと物語を
楽しむレベルじゃなくなっちゃうんだよね
その突きつけられた非日常を日常に溶け込ませていくのに、セックスと
オムニバス視点でのストーリー進行を使うのはうまいな~~~~~!!!!!
って途中でおもいました

■舞台
詳細は知らないけど、そこそこ繁華街もあって栄えてる片田舎の町に
誠信明輝塾 (友愛クラブ)っていううさんくさい塾があるの
あまりにもパーフェクトですよね 環境として
楽しみはあるけど刺激的なものはない環境で、田舎じゃラブホが栄えるって
話思い出した

■宗教
「愛」とか「救い」をかかげて主に学生たちをヤク漬けセックス狂いに
仕立て上げて、最終的に商品として出荷するのほんと最悪(最高)
思春期特有の悩みというにはあまりにも雑な区分だけど、それぞれ抱えてる
悩みを全て快楽で消し飛ばそう!っていう宗教 あまりにも原始的だよね…
まあ古代ギリシャもそんなもんだったし人間の行動指針は快不快だって
昔の哲学者もいってたし残当ですね
ただこのシナリオ、そんな子供を食い物にした大人は基本的には埒外
置かれていて、あくまで子供だけで話が完結するんだよね
(きっかけは大人の悪意だったとしても…)
誰が悪いといわれると全員が被害者で誰しも加害者になり得る気がするのだ
愛だってある種救いを求めての行動だったわけで…
彼女は一番の加害者だけど、一番の被害者でもあるから……

あと本人がよければそれは幸せなんじゃないの?っていうのもすごく
暴力的な理論だなって思う
意思決定能力があればその行いは客観的な法規則への抵触を除いて
肯定されるべきなのか?と言われれば違うだろうし
でもそれをどうやって否定するのかも分からないけど、ただただ
理論としては暴力的だなって…思った…否定はできんが…


■キャラ
とりわけ紗英子と愛が好きです
とりあえずざっくり所感

・姉
マジでカルト宗教にはまるときってこんな感じにはまるんだ、を体現した女
最初の小野田さんとクラブいったときの友達+詐欺師で出入口固めるの
ふつうにうわ・・・って言っちゃったもん

姉が一番そうだったけど、最初はエロシーン見て「おっえっちじゃ~ん^」って
思ってたのがだんだん主人公が引いていく以上に自分が引いて行って、
主人公が「もうどうにでもなーれ★」ってなってる時私はそれ以上にどん引きしてた
最初感情移入してた主人公からプレイヤーがどうしようもなくて一歩引いちゃう
そんなシナリオ大好きなので姉にはありがとうって感じだよね

最初から詰んでたことはわかってた人だけど、本当に本当にどうしようも
なくて、ただただ悲しかったな 
肉声でもないただのメールが、こんなに思ってくれた弟より大切になっちゃうの
カルト宗教って怖いなっておもいました(こなみ)

・円夏
ドリルかんつうこわい マジで怖い 何あれ アレ抜けるの?教えてよ…

典型的に女子に一人はいるタイプの友達だった
いるんだよなこういう 他人の色恋沙汰に首突っ込んで、高嶺の花みたいに
浮いてる子の親友名乗る感じで「自分も特別」って思うようなやつがさ…

愛のことが好きだったというよりか、愛が好きな自分を好きそう 自己愛の化身みたいな
もんじゃないこの子は…
ただ一般的な理性を持ち合わせてるから、そのダシに友人を使ってるだけで
愛が普段どの対応してたのか分からないけど、愛が話しかけるところも考えにくいし
そうなると愛ってつるんでて楽しいかっていわれると違う気はするんだよね

愛は自分がされたこととほぼ同じことを円夏に試していたけど、それらすべてを
喜んで受け入れる円夏を見てどう思ったんだろう
やっぱり自分は救われない、とかおもったんやろかね

・いじめられっこ
痛い 電球はねえよ・・・・・・・・・・・・・・・・
カルト宗教ってこわいなっておもいました
まあパラダイムシフト だよね これも一種の・・・

・ちはるちゃん
唯一まともだったし、強い女の子だった
正直B専もいそうだし使い道はいくらでもあっただろうけど、そのあたり
クラブは本人の望みって体でやってたのかな?だから抜け出せたのかな
それにしたってあのクラブ失踪する人間出しすぎだと思うしあの町の治安
大丈夫なんだろうか…

・妹
最後壊されたって何 怖いんだけど
このこにかんしては本当になんか・・・・・・かわいそうでしたね・・・・

・紗英子
家に帰ったら予習と復習がいつもの日常の、生徒会長も学業もそつなく
こなす知的美人の才女がドスケベスカトロ大好きのセックス狂いだった件

第一印象から仕事の出来る女だこいつ…と思って見てたけど、カルトって
こういう人にも刺さるんだよを体現した女だった

>「困難というほどの困難もなく、障害といえるものもなく、単調な日々を過ごしている」
>「他人をみて満たされているならうらやましい、でも本当に満たされているかも
> わからなくて疑ってしまう」「彼らのような平凡な人生、流れに身を任せる
> だけの負け犬のような人生は送りたくない」

他人を見下しつつも見下してる人間以下の自分に吐き気がしているさえこちゃん…
人よりちょっとだけ賢いから不出来な他人に苛つくし、自分は賢いと錯覚しちゃうし
心で見下してる他人より自分が劣ってる・遅れてることに納得がいかないんだなって
ちょっと気持ちがわかってしまうのがつらい…
今までしっかりした家庭で育てられたから毎日課題もこなすし予習もするし、
生徒会長もしちゃうけど、そのきめられたルーチンワークに刺激が欲しかったから
クラブに行って、飽きて、また刺激を求めて狂ったことして‥‥のループだったんだなって
まあ紗英子がああなったのは瑛への意趣返しって側面もあると思う それは100ではないけど

>「幼馴染で同じクラスの瑛さん」
>「秘密を打ち明けられてない
>「瑛さんの悩み、誰にも、私にも言えなかった悩み。それを私はしらないふりをしていた」
>「ずっと一緒にいて、そのことに気づいてしまっていても、それでも」

これを見る限り瑛に対しては幼馴染以上の一定の感情(恋愛感情とは限らないけど)を
もってたんだろうなって
ていうか見返してて思ったけど瑛の秘密を紗英子は既に知ってたんだな…
それを打ち明けてもらうのを待ち続けてたのか… その日が処女なくした日になったんか…
なんなんだこれ……

紗英子のBAD?紗英子END?の、"ヤク漬けボテ腹麻酔無し局部にメス刺したあとの
フィストでの帝王切開子供キャッチぷいきあ"については上述した刺激を求めて
ループした成れの果てだとは思うんだけど、それに加えて瑛への意趣返しであって
ほしいんだよね
瑛がほしかった「本当の自分を出せる場所=女の子になりたいという願い」を
女でしか出来ない妊娠・出産の権利を最悪の形として踏み荒らす行為で、恋でも
愛からでもない「瑛が紗英子に伝えられなかった秘密」への意趣返しをしててほしい…

紗英子は愛や恋に生きはしないし多分クラブに入ってから・・・と言うより、
瑛が秘密を私ではない誰かにしゃべった日から生きられなくなっちゃったんじゃないかな…
紗英子に夢見てるから 私は紗英子の夢女 

BAD で瑛がまだ生きていて、もし性転換に成功して世間的にも大手を振って歩ける状態で
あるなら、BAD の紗英子にはそれこそ一番の興奮材料になるんだろうな‥

トゥルーの方でも結局紗英子が興奮するのって「今までの自分という人間の否定」で
瑛のちんこちょん切って死んでもその現場でレイプされるぐらいしたたかな人間だから
紗英子の将来は安泰ですね お前は十二分に強い女だよ……
ただあのシーンの後で、主人公に自分の好きに生きなさいって帰る姿は紗英子・・・
紗英子ちゃんなんだよね・・・

「菱木は絶対桧垣のこと好きだし性格最高に曲がってる愉快犯菱木の聖域が桧垣であってほしいし
桧垣はそのうち性転換して家族にも周りにも受け入れられて"私にはわからないしあわせ"を得た
桧垣に「わたし紗英子ちゃんみたいな女の子になりたかった」って告白されて立ち直れない傷を
抱えて生きてほしい」
↑これが私からの答えです

・桧垣瑛
>「そんなことをしたって、実際に桧垣が女の子になれるわけじゃないのに」
>「でもあいつは信じたんだ。その方法なら、そうすれば自分が望んでいた
> 女の子になれるって。本当になりたかった自分になれるって」

どれほど今まで辛い思いをしてきたんだろうなと思う 瑛は……
ただ、人より賢くて人より恵まれて、人から視線を浴びることが多かったから配慮のできる
瑛は余計しんどかったんだろうな と思う 転校生に話しかけるような善人が……
でも瑛にとって紗英子ちゃんは救いではなかったし、紗英子が根回ししてもきっと背後の
園田(愛)を思っただけの「ありがとう」を紗英子ちゃんに伝えたんだろうなと思うと
正直興奮する

瑛にとって紗英子は幼馴染の紗英子ちゃんであって、それ以上でもそれ以下でもない
トゥルーで死ぬときも、もし仮に何かがうまくいって自分らしく生きれる時がきても
変わらない表情と感情で「ありがとう紗英子ちゃん」って言うんだろうな
そして紗英子はそれがたまらなく悔しいのであった…(完)

それにしたって紗英子と瑛、同じ字を当てはめるのたちがわるいというか……

・神村愛
ずるい女すぎる。正直今作のMVPというかまあメインヒロイン枠というか大好き。
幼いころから性的肉体的に虐待を受けて、他人に売り飛ばされては消えない傷を
付けられて、その傷をさらすことすら感情を持ち合わせない生きにくさの塊の子…
ていうか実の親かよ マジでクソだな…

感情バグってるから他人どころか自分の感情も分からないし、そりゃ男の子が
読むような漫画(少年漫画=友情努力勝利)も分からないよね…

あまりにも辛いから他人を犠牲にしてまで生き延びてきたから余計に
信じられる相手も好きな人も何かを得られることもなかったんだもんな…
生きるためには頭を回転せざるを得なかったし、他人に逆らわず生きるしか
なかったんだもんな・・・

幼少期からの執拗な性的を含む虐待の結果、彼女にとって性行為自体苦痛なものと
して認識されているから、幼少期のカエルのつぶれたような泣き声を聞き続ける
愛視点が一番胸糞だった 普通につらかった…

だからこそ愛を犯すんじゃなくて抱く選択肢を選んだ時に、喘ぎ声に変わるのが
すごくよかった 幼少期からの虐待で子供は産めない体になるわ、傷はつけられるわ
嫌悪の象徴であるセックスが…愛にとっては最後で違うものになったんだって‥‥

そう考えれば、セックス狂いのバカ女の結末をさんざ見せられた後で、本当に
心から救われたのは愛だけなのかもしれない それがまた白坂くんの愛なのも、
それ自体が恵まれてるのも、なんか‥‥なんかすっごい皮肉だけど・・・

>「気分が悪いと感じるところが、私には信じられないものだから」
>「きっと・・・白坂君は、幸せなのね」

経験から他人を信じることなんて何もできないし、周りの人間が腐ってたからこそ
主人公に違和感をおぼえたのかなーとか…愛…もう愛ってかいてめぐみって書くの
マジ…

>「でも今はもう、好きじゃないでしょう?あなたが好意をもっていたのは、本当の
> わたしじゃないもの」
>どこか、あきらめたような笑みをうかべた
>それを、肯定も否定もできなかった

これ、考えてみれば一番最初のシーンで愛が待ち伏せしていたとはいえ、
容姿もしくは立ち居振る舞いにたいして「女の子として一目ぼれした」のが
あんまりにも……あんまりだよ……それで最後救われるルートがあるのであれば
それこそ一番最初まで巻き戻って、愛をクラブから救いたいよ…な、白坂…

>「これでよかったんだろうか、こんなことをして、いまの俺は幸せなんだろうか」
>ー求められることは幸せなんだろう?
>これが幸せじゃなかったら、いったい何が幸せなんだ
>ー麻薬めいたものだ
>いいや、これは麻薬めいたものなんかじゃない。俺は救われているんだ。幸せなんだ
>本人にしかわからない幸せってものがある
>ーみんな辛そうで、かわいそうだ
>ちがう、そうじゃない、かわいそうなんかじゃない。今が楽しくて
>―助けてやりたい
>助けなんていらない、俺は、俺にはもう救われる資格なんてないんだ

人より少し正義感がつよくて、自分をしっかりもってたからこそ白坂くんがこう・・・
その点ですごく悩むのもよかったし、幸せのかたちに答えをだすんじゃなくて
「みんな辛そうで、かわいそうだ。(だから)助けてやりたい」ってなるの、良かった…
それが哀れみであれ、こんなまっすぐなの 好きじゃん…

>やっぱりつらいよ。できることならやり直したい。
>何もかもなかったことにして、もう一度、みんなを助けるために正しい行動をとりたかった
>みんなを助けたかった
>きみも、そう思ってるんだろう?

性的虐待を受けたからだを出した愛を優しく抱きしめたときから白坂くんは男前だし
愛が無感情ってとこでまもってたところをがんがんついててえ~んってなる…

>それでも俺は、キミを救いたい
>「全然わかってない!私がみんなを不幸にして、私が殺したの!」

このあたりの愛の唯一といっていいぐらいの感情の発露、良い
愛自体も何がしたいか分からないぐらい混乱してるのが手に取れるようで…
愛……

>「最後まで馬鹿ね」「私に救いはないの」

白坂くんにさいごまで甘えることなく、自分のしてきたことの報いだと言って
ボロボロの人生をボロボロのまま閉じてしまったけど、最後の最後では少しでも
報われてたのかなって思うと 寂しさが募るね

最後、すきっていってたのかな…

・白坂くん
本当にどんな環境で生きてきたんだってぐらいまっすぐでよいやつ
「必ず君を救って見せる」→「だめだったよ……」ってシナリオではあるけど(大智視点)
お前の行動で確かに救われた子は一人いるんだよ 元気出してくれ

現実はどれだけ辛いことがあろうと戻れないし、壊れてしまったもんは直せないけど
大智の「でも…俺がいるから…!」が一番胸打たれたよ
お前…本当に立派だよ…、大智…大智のファンになります

愛を追わなければ愛の興味のまま傍に置かれるロッカーENDになったり、愛を犯せば
第二の園田として愛の興味は尽きて終わるけどその世界線では他の全員は死んでも
愛は生きてるんだよな

愛の「がまんして、がまんして、本当に救いたい一人だけを救うの」 がマジでそうだった
というか愛以外を救おうとすると全員アレなのでまあはい…なんですけど
最後の最後ケツもちまでする男気に惚れました ありがとうな お前だからこのゲーム頑張れたよ

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思春期特有の「特別な何かになりたい」っていう感情をわるい大人に利用されて
仰げば尊死することになったんだなってシナリオだった 満腹です
特別な何か、というよりかは「他人とは違うんだ」って思いかなぁ

40時間めちゃ楽しかったです
心にたくさん傷も終えて楽しかったです
対戦ありがとうございました